Topics/トピックス

【NHK BSプレミアム】

NHK BSプレミアム「プレミアムステージ」にて、
テレビ放送が決定致しました。

■放送日時:2017年4月10日(月)【9日(日)深夜】0:00~
※番組は<前半>と<後半>に分かれており、
 舞台「クレシダ」の放送時間は前半の0:00~2:20です。
※放送日時は事前告知なしに変更となる可能性がございます。予めご了承ください。

放送の詳細はNHK BSプレミアム「プレミアムステージ」HPをご覧ください。

■NHK BSプレミアムホームページhttp://www4.nhk.or.jp/p-stage/

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【稽古場レポート】

スピード感あふれる極上の会話劇!
今秋最注目の"職人"舞台を見逃すな!!

本番に向けて日々続いている稽古場へ潜入!稽古の様子と公演の見どころををお伝えする稽古場レポートが届きました!ぜひお読みください!!

稽古風景/画像01

舞台「CERSSIDA」は、映画・ドラマなど、今や当たり前となったエンターテインメントが生まれる前、演劇が娯楽の王様であった1630年代のロンドンが舞台。かつて名優として名を馳せ、現在はロンドン・グローブ座の演技指導者と、彼を慕う少年俳優たちによる劇団の物語。当時は女性がキャストとして演じることはなく、すべて男性が演じていた。女性役の場合、声質や体つきが成熟していない少年俳優が演じていた、そんな時代。彼らは、ウィリアム・シェイクスピアの名作の一つ「トロイラスとクレシダ」を上演する。

稽古風景/画像02

8月中旬、稽古場へ伺った。この日は、演技指導者シャンク(平幹二朗)が養成所から送られてきた「ス」の発音もろくにできない稚拙な少年俳優スティーブン(浅利陽介)に稽古をつけるシーン。まず全体を通し、少しずつ演出・森新太郎により細かな変更が加えられていく。休憩中、キャスト陣に目をやると、変更された箇所を台本に書き込んでいる。休憩が休憩でない雰囲気。一歩ずつ、さらに舞台は完成に近づいていく。

まだ本番まで数週間あるとはいえ、主演・平幹二朗演じる演技指導者・シャンクからは、その経験に裏付けされた圧倒的な存在感を感じられる。シャンクは一癖もふた癖もある老獪な性格。一瞬の表情、ちょっとした仕草の「意味」が伏線となり、物語は厚みを増していく。花王おさむ(ジョン役)がコミカルで味のある演技で応えると、ますます物語に引きずりこまれる。

稽古風景/画像03

シャンクを慕う少年俳優はグーフィー(碓井将大)、トリッジ(藤木修)、ハニー(橋本淳)。彼らは演劇を愛し、自らの役を愛している。そこに養成所から送られてきたスティーブンが現れた時、不安定な思春期の人間関係が揺れ動く。無垢な笑顔を振りまく姿の底に、ライバルを蹴落とさんとする俳優としてのプライドが見え隠れ。このあたりのやり取りもテンポが速くて面白い。

そして高橋洋演じるリチャード(通称ディッキー)は物語の鍵を握る役どころ。シャンクとリチャードは、とある秘密を共有し、そこから物語は思わぬ方向へ転がり始める。一幕で広げられた伏線は、二幕で一気にまとめ上げられる。混じりっ気無し、誤魔化し無しの会話劇。ストイック。職人魂。そんな印象を受けた。

なお、本作には、ロミオとジュリエット、ハムレット、リチャード3世、タンバレイン大王など、演劇史上にその名を残す様々な名作の台詞が登場する。演劇ファン・業界関係者ならきっとニヤッとさせられる。だが、気後れする必要は全くない。決してコアなファンのみが楽しめる難解な作品ではなく、極めて自然にエッセンスとして加えられている脚本の妙。数々の「あの名台詞」を実力派俳優陣が自らの言葉として紡いでいく。美しい言葉を楽しむ。演技を楽しむ。上質な文学作品を堪能するような楽しみ方ができるだろう。

9月4日、東京世田谷・シアタートラムで幕を開ける。舞台「CRESSIDA」は、ウィリアム・シェイクスピアの名作『トロイラスとクレシダ』の名に恥じぬ極上の群像会話劇。稽古場に伺い、「演劇ファン」を自任する皆様、そして「演劇」の魅力をまだ知らないライトユーザーの皆様にも楽しめる「これぞ!」と言わしめる作品になると確信した。ぜひ多くのお客様に観ていただきたい。

文=田辺 充

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【主演 平幹二朗:インタビュー】

自分の新たな可能性を探せるかな、
と期待しています

平幹二朗が齢82にして、初挑戦ともいえる冒険の舞台に乗り出した。英国の劇作家ニコラス・ライトが2000年に発表した舞台『クレシダ』、その日本版の主演に決定。1630年代ごろのロンドン・グローブ座を背景に、男性俳優のみが舞台に立っていた当時の演劇界の裏側、その人間模様を、ユニークかつ巧妙に描いた会話劇である。平が扮するのはかつての名優であり、晩年は演技指導者となって少年俳優たちを狡猾に操るシャンクという男だ。

文=上野紀子(演劇ライター)

平幹二朗/画像

「まだ女優が存在せず、女役もすべて男性俳優が演じていた時代の物語です。僕の役は、昔は少年俳優として活躍していたけれど、歳をとって女役もできなくなり、今は劇団の養成所の教師となっている男。でも真面目な教師ではないんですね。教育している少年俳優の数をごまかして、報酬をちょろまかしたりして(笑)。少年俳優という特殊な存在に焦点を当てたバックステージもので、非常にウェルメイドな面白い作品です。ただ、はっきりとしたテーマは何かとなると、どうにもつかみきれない。最初に戯曲を読んだ時は、そんな難しさも感じていました」

 平はそのかすかな戸惑いを持って、本作の演出家・森新太郎と話し合ったという。近年、とくに現代翻訳劇の演出において高い評価を得ている森との、初めての芝居作りは、「この舞台に出ようと思った一番の魅力」と語る。

「森さんが、この戯曲の一番大きな骨格は"世代交代"ではないか、とおっしゃった。なるほど、その点を深く掘り下げていけば作っていけるかな、と迷いが晴れたんですね。お話の中で、シャンクが自らの欲のために少年俳優にレッスンをするんですが、教えているうちにどんどん夢中に、一生懸命になっていく…というシークエンスが出てきます。ちょうど台本をいただく少し前に、ドラマーの成長を描いた『セッション』という映画を観ていたんですが、そのシークエンスについて、森さんと異口同音に「これって『セッション』のような感じですよね」と話したんですよ。ああ、僕が考えているのと同じような感覚で作ろうとしていらっしゃるな、とわかって少し安心しました。森さんはとてもしぶとく稽古を重ねる方だと聞いています。怖れおののきつつも(笑)、良い出会いになれば嬉しいですね」  平幹二朗が気鋭の演出家とタッグを組み、これまでにないキャラクターを表出する。それも平にとっては初体験ともいえる、220席ほどの小劇場における挑戦だ。日本が誇る名優の新境地を見届けずにはいられない。

「大声を出す俳優が、ささやきだけで聞こえる劇場でどうやって組み立てていけるでしょうね(笑)。自分の新たな可能性を探せるかな、と楽しみです。したたかな、いい加減な男が、次の世代の素晴らしい人たちを育て、受け渡していく。また同時に、男たちが舞台に君臨していた時代は終わり、女優たちに場を譲らなければいけない変わり目も感じさせる作品なんですね。ある終末と新しさへの歓迎、その感動を爽やかに味わっていただけたらと思います」

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クレシダ/ロゴ

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